今回はエルトン・ジョンが題材になっている映画『ロケットマン』のあらすじ・感想・評価についてネタバレありでご紹介していきたいと思います。
日本で2019年8月23日に『ロケットマン』が公開されましたね。エルトン・ジョンの半生を描いたミュージカル映画ということで私は早速映画館に足を運び見にいきました。
私は映画好きでもありますが、実は大のロック好きのため、『ボヘミアン・ラプソディ』に続きこの『ロケットマン』に大きな期待を持っていました。
クイーンもエルトン・ジョンも大好きなため、『ボヘミアン・ラプソディ』と比較しつつ映画『ロケットマン』のあらすじ・感想・評価を解説していきます。
目次
映画『ロケットマン』のあらすじ・感想・評価。『ボヘミアン・ラプソディ』と比べて
1.映画『ロケットマン』の作品情報
- 映画『ロケットマン』
- 公開日:2019年8月23日
- 監督:デクスター・フレッチャー
- 製作:マシュー・ボーン、デビッド・ファーニッシュ、アダム・ボーリング、デビッド・リード
- 製作総指揮:エルトン・ジョン、クローディア・ボーン、ブライアン・オリバー、スティーブ・ハミルトン・ショウ、マイケル・グレイシー
- 脚本:リー・ホール
- 音楽:マシュー・マージソン
- 音楽製作:ジャイルズ・マーティン
- 出演:タロン・エガートン、ジェイミー・ベル、ブライス・ダラス・ハワード、リチャード・マッデン
- 上映時間:121分
- 公式サイト:https://rocketman.jp/
大ヒットを記録した「ボヘミアン・ラプソディ」で、降板した監督に代わり映画を完成させたデクスター・フレッチャーが今作でも監督を務めています。
また、エルトン・ジョン本人が製作総指揮に加わっているというのも大きな特徴ですね。
さらに、「キングスマン」シリーズでお馴染みのマシュー・ボーンが製作を担当しており、同じく「キングスマン」シリーズで主演を務めたタロン・エガートンが今作でもエルトン役を務めています。
2.映画『ロケットマン』のあらすじ
続いて『ロケットマン』のあらすじです。
音楽界の最高峰グラミー賞を5度受賞し、「ローリングストーン誌が選ぶ歴史上最も偉大なアーティスト 100組」にも選ばれ、「僕の歌は君の歌(Your Song)」や、「キャンドル・イン・ザ・ウィンド(Candle in the Wind)」、「愛を感じて(Can You Feelthe Love Tonight)」、そしてタイトルにもなっている「ロケットマン(Rocket Man)」など、シングルとアルバムの総売上は全世界で3億枚を越える伝説的ミュージシャン、シンガーソングライター“エルトン・ジョン”の半生を描いた話題のミュージカル超大作。
(引用元:Filmarks)
後のエルトン・ジョンと名乗る少年レジナルド・ドワイトはイギリス郊外ピナーで、家庭に興味がなく子供に愛情のない厳格な父と子供に無関心の母の元で孤独に暮らす。
しかし彼は天性の音楽の才能があり、国立音楽院に入学する。誰にも相手にされない寂しさを紛らわすようにロックに傾倒するようになり、「エルトン・ジョン」の名と共にミュージシャンを夢見る。
レコード会社の公募広告を見てエルトンは応募し、同じく応募者で作詞家のバーニー・トーピンに出会い、2人はタッグを組み絆を深めていく。
何気ない朝の朝食から生まれた名曲「ユア・ソング」でデビューが決まり、LAの伝説的なライブハウス・トルバドールで成功を収め一気にスターダムへと駆け上がる。
エルトンはその天性の音楽センスで多くのファンを魅力していった。しかし、マネージャーで恋人のジョン・リードとは関係がうまくいかなくなり、バーニーさえも彼から遠ざかるようになる。孤独とプレッシャーにより、薬物やアルコールの依存症になり心身共に追い詰められていく。
そんなエルトンが超満員のライブ開始前にある選択をすることになる。
3.映画『ロケットマン』の楽曲
- 01. The Bitch Is Back (Introduction)
- 02. I Want Love
- 03. Saturday Night’s Alright (For Fighting)
- 04. Thank You For All Your Loving
- 05. Border Song
- 06. Rock & Roll Madonna – Interlude
- 07. Your Song
- 08. Amoreena
- 09. Crocodile Rock
- 10. Tiny Dancer
- 11. Take Me To The Pilot
- 12. Hercules
- 13. Don’t Go Breaking My Heart
- 14. Honky Cat
- 15. Pinball Wizard – Interlude
- 16. Rocket Man
- 17. Bennie and the Jets
- 18. Don’t Let The Sun Go Down – Interlude
- 19. Sorry Seems To Be The Hardest Word
- 20. Goodbye Yellow Brick Road
- 21. I’m Still Standing
- 22. (I’m Gonna) Love Me Again
映画『ロケットマン』には合計で22曲のエルトン・ジョンの楽曲が流れます。上映中に流れる楽曲は全てエルトン・ジョン本人のものです。
「Your Song」、「I’m Still Standing」、「Rocket Man」を始めとした名曲が約2時間の中で様々な形で流れてきます。
これら全22曲が収録されているオリジナル・サウンドトラックも発売されているので、気になった方は下から購入を検討してみてください。
4.映画『ロケットマン』のモデルであるエルトン・ジョンについて
エルトン・ハーキュリーズ・ジョンは、1947年イギリス生まれのミュージシャンです。(出生時の名前は、レジナルド・ケネス・ドワイト。)
代表曲に「Your Song」、「I’m Still Standing」、「Rocket Man」、「Crocodile Rock」などがあります。シングルとアルバムの総売り上げは2億5千万枚から3億枚以上とされており、ビートルズ、エルビス・プレスリー、マイケル・ジャクソン、マドンナの次の史上5番目に売れたアーティストとされています。(クイーンよりも売れているとされている。)
『グラミー賞』も5回受賞しており、「ローリング・ストーンの選ぶ歴史上最も偉大な100人のシンガー」において第38位、「ローリング・ストーンの選ぶ歴史上最も偉大な100組のアーティスト」において第49位にランクインしています。
また、エルトン・ジョンはゲイであり、イギリスで同性婚が認められたため、カナダ人映画監督・プロデューサーのデヴィッド・ファーニッシュと結婚しました。
バラードシンガーという認識が強いが、フォークロック、アメリカンロック、ソウル等幅広いジャンルの音楽を取り入れています。またライブでの過剰なほど派手な衣装も有名ですね。
5.映画『ロケットマン』の感想・評価(『ボヘミアン・ラプソディ』との違いも交えて)
ミュージカル風のストーリー構成
まず驚いたのが、『ロケットマン』はミュージカル風にストーリーが進んでいくということですね。『ボヘミアン・ラプソディ』を見た人はご存知かもしれませんが、『ボヘミアン・ラプソディ』ではライブやレコーディング時、後はたまに背景で流れるBGMとして曲が流れますよね。
しかし今作『ロケットマン』はミュージカル風にストーリーが進んでいくわけで、ライブやレコーディングの時のみならず普通にストーリーの一環として出演者たちが踊りながらエルトン・ジョンの歌を歌う場面が多々あります。
しかも、エルトン・ジョン本人だけでなく「お前が歌うんかい!」って思わず言いたくなる様な本人以外の登場人物も歌うことがあるんですよね。
そして曲が流れる際の演出も『ボヘミアン・ラプソディ』と違って派手で不思議な印象を受けました。『ロケットマン』では、ライブハウスでエルトンが歌っている際に急にみんなが宙に浮く演出があったり、夢の世界が出てきてそこでストーリーが進んだりとなんか不思議で奇妙な演出が多々ありました。エルトンの世界観に合わせてっていうのと、ミュージカル風を強く意識してこうなったんですかね。
この奇妙な演出がハマるかどうかは結構人によると思いますね。
終始流れ続ける音楽
『ロケットマン』では計22曲も上映中に流れますが、『ボヘミアン・ラプソディ』も同様に22曲ほど曲が流れます。
しかし、自分の体感として『ロケットマン』の方がストーリー中ずっと曲が流れているなという印象を受けました。1曲あたりが長く流れているのか演出のせいなのか、はたまた『ボヘミアン・ラプソディ』は最後のライブエイドのシーンで多く流しておりそれに比べて『ロケットマン』は作中通じて満遍なく曲が流れているからなのかよくわかりませんがこういう印象です。
ミュージカル調だから仕方ないと思うのですが、この曲がずっと流れているという構成により、ストーリーの展開が途中急すぎてよくわからなくなると感じたことが多かったです。後、ミュージカルのため歌詞に乗せて勝手にストーリーが進んだり、後夢の世界?の様な演出のせいもあってちょっと混乱した部分もあるんですかね。
『ボヘミアン・ラプソディ』の様に曲が流れる時は音楽を楽しみ、ストーリーが進む時はストーリーを楽しむといった様なメリハリのあるスタイルの方が個人的にはわかりやすく好きでした。
『ロケットマン』はストーリー重視というよりミュージカルとして、そして不思議な世界観を持つ演出を楽しみたい人におすすめかもしれないですね。
エルトン・ジョンの半生がよくわかる内容
そして内容なのですが、エルトン・ジョンが幼少期を孤独に過ごすところから始まったため、エルトン・ジョンの半生というかどういう環境で育ったかがよく表現されていて良かったです。
また、ゲイであるエルトン・ジョンのセクシャリティーに関してもよく描かれていました。この点は『ボヘミアン・ラプソディ』ではあまり描かれていませんでしたよね。(フレディ・マーキュリーはバイセクシャルであることを終盤まで隠していたため仕方ないですが。)
しかし、物語の大部分はエルトンがスターダムに駆け上がった後の、周りの人に見捨てられて愛情を得ることができないことへの苦悩とそれによる堕落が描かれている印象です。
恋人のジョンと喧嘩して別れて、母親にも冷たくされ、父親に久々に会っても新しい家族と自分への態度の違いに悲しみ、相棒のバーニーにも見捨てられ、酒を飲んでドラッグを吸い、自暴自棄になってプールに飛び込むといった具合にずっと誰かに見捨てられて堕落するといったストーリー展開です。
『ボヘミアン・ラプソディ』はフレディ・マーキュリーのバンドとの絆や喧嘩、曲が出来るまでの過程、元婚約者との関係性、人気になってからの苦悩、そして最後のライブ・エイドの様子等がどれもボリューミーに描かれており、バラエティーに富んだ内容でした。
それに比べると、単調なストーリーだった感があると個人的に感じました。
エルトン・ジョンの半生はわかるかもしれないですが、『ボヘミアン・ラプソディ』の最後のライブ・エイドの圧巻の20分の様な超盛り上がるシーンもなかったですし、全体的にストーリーの抑揚がもう少しあればよかったです。
エルトン・ジョンの音楽はやっぱ最高
結構『ロケットマン』をここまで批判してきたかもしれませんが、やっぱりエルトン・ジョンの曲を2時間の間ずっと聞き続けられるっていうのは最高でしたね。特に「Your Song」あたりは至福の時間でした。
「Your Song」を朝食の間の何気ない時間に、ピアノを弾きながら思いついてしまうなんてやっぱ天才なんですね。
後色んな人が、ミュージカル風にエルトン・ジョンの曲を歌うというのも案外良かったですね。エルトン・ジョンの曲のテンポの良さと合わせてストーリーもテンポよく進んでいき、物語に引き込まれていきます。
個人的には『ボヘミアン・ラプソディ』の方が好きでしたが、『ロケットマン』の方が好きという人の意見もわかりますし結構好みによるところが大きいと思いますね。
そもそも自分はクイーンの大ファンなのでこういう意見になるのは当たり前だと思いますし。
6.まとめ
今回は映画『ロケットマン』について、作品情報、あらすじ、感想、評価を中心にまとめてみました。
まだ見ていない人は、面白い映画なので是非見てみて欲しいです。エルトン・ジョンが大好きって人は必見の映画です。
最近、クイーンやエルトン・ジョン、ビートルズ(『Yesterday』という映画はビートルズの半生を描いているわけではないが)といったロックアーティストが映画の題材になることが多いですよね。
次は誰が来るか注目したいところですね。
映画『ボヘミアン・ラプソディ』についても動画視聴方法、あらすじ、感想等をまとめているので気になった方は下の記事も是非どうぞ
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